クロツラヘラサギとは
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クロツラヘラサギとはこんな鳥


 かつて日本には稀に渡来するだけだった「クロツラヘラサギ」という変な名前の渡り鳥が、近年九州各地で定期的に越冬するようになって来ました。
 福岡市の今津などでは、行けば簡単に見ることができ、しかも一日中寝てばかりいるのであまり有難みがないのですが、実は彼らは「世界的に」と言っていいくらいの珍鳥です。
 このHPでは、博多湾東部の群れを中心に彼らの姿をご紹介しています。


 2003年、日本のトキは絶滅しました。
 クロツラヘラサギは「サギ」の名がついていますが、実はトキの仲間です。世界でも台湾、香港、ベトナム、韓国、北朝鮮、中国、日本などの東アジアだけに、約1,400羽が生息しているだけのとても希少な鳥です。
 1,000羽強という数はパンダとほぼ同じ。環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧種TA類に指定されています。
 

和名 クロツラヘラサギ
英名 Black-faced Spoonbill
学名 Platalea minor

体長 73cm
鳴き声
  越冬地では殆ど鳴かないが、休息の時などに「ゴ〜、ガ〜」というサギ類に似た声を出す。
棲息地 
   干潟や沼沢地、水田などの湿地
   繁殖地では無人島の断崖に営巣している

 クロツラヘラサギは、その名の通りへらのような形をしたくちばしと黒い顔が特徴の大型の水鳥です。
 繁殖期になると頭に冠羽が生え、首から胸にかけて美しい黄橙色に変わります(写真右の個体)。
 エサを採るときは、平たいくちばしを左右に振る独特の採餌法で、浅瀬をひょいひょいと忙しく走り小魚やえびなどを食べます。
 日本には冬鳥として渡来し、通常10月から5月にかけて見る事が出来ます。近年は春になっても繁殖地へ渡去せずに、日本で越夏する個体も見られるようになってきました。


2005年5月2日 福岡市東区和白